audio-technica SONICSPORT ATH-SPORT5TWのレビュー

タイトルの通りaudio-technicaのATH-SPORT5TWを購入しました.ここでは当該イヤホンのレビューをします.

購入の動機

これまでイヤホンとしてSoundPEATSのQ30を使っていたのですが,USB端子カバーを塞がずに風呂で使用してしまい,故障してしまいました.そこで,新しいイヤホンを探していました.


SoundPEATS Q30のいいところとして,Bluetooth対応で防水であるところがあります.故障原因からもわかるとおり,風呂に入りながら使っていたり,ランニングなど運動しながら使うことがあったため,似たような使い方ができる防水イヤホンを探していました.

SoundPEATS Q30は左右イヤホンがケーブルで接続されているタイプだったのですが,Q30の前はEARINの初期型EARIN01を使っており,また同様の左右分離型がほしいと思っていました.


EARIN01が登場した頃と違い,最近は各メーカーから左右分離型が出てきておりかなり選択肢が広がっていましたが,購入するなら日本メーカーの製品ということで,SONYのスポーツ・防水タイプWF-SP800Nと,audio-technicaのATH-SPORT5TWあたりが候補になりました.

レビューなどを読んでいると,WF-SP800Nは以下の点が気になったので,ATH-SPORT5TWを購入しました.
  • ノイズキャンセリングがついているもののあまり効かない
  • 物理ボタンがついていない.タッチボタンが誤反応しやすい?
  • 価格がやや高い(Amazon.co.jpで約20,000円,対するATH-SPORT5TWは約13,000円)

開封の儀

Amazon.co.jpで注文して,翌日に届きました.流石に早いですね.
パッケージがまずかっこいい.期待.
ATH-SPORT5TW (1)


パッケージを開けると本体が見える形でした.
ATH-SPORT5TW (2)

イヤホンはケースに入っていて,ケースで充電できます.
ATH-SPORT5TW (3)

付属品はこちら.イヤーピースとイヤフィンが4種類ずつ(XS, S, M, L)付属しており,イヤホンには中間サイズ(Mサイズ)のものが標準で付いているようです.
ATH-SPORT5TW (4)

私の耳にはとりあえず標準のもので問題ありませんでした.
耳に装着するとこんな形で,イヤフィンが結構がっちり支えてくれており,ちょっとやそっとでは外れなさそうです.
ATH-SPORT5TW (7)

充電はUSB Type-Cです.私はマグネット充電ケーブルのUSB Type-C側を装着して利用していますが,特に問題なく使えています.
ATH-SPORT5TW (5)ATH-SPORT5TW (6)


本機はBluetoothでの接続です.手持ちのスマートフォンXperia XZ2 compactと接続しましたが,すんなり接続することができました.
電池残量がケースと左右別で表示されています.
Screenshot_20210722-223559.jpg

試しに数曲聞いてみましたが,音質としては十分クリアで,個人的には全く問題ない印象でした.


機能

(1)基本操作
本機は,左右のイヤホンに付いた物理ボタンで操作ができます.
ただし,左右1つずつしかボタンがないので,2回~3回押下などが必要な操作があります.
  • 左ボタン1回:音量アップ
  • 左ボタン2回:音量ダウン
  • 右ボタン1回:再生/停止
  • 右ボタン2回:1曲先送り
  • 右ボタン3回:1曲巻戻し

正直スポーツ中に2回押すのはなかなか面倒なので物理ボタンをもう少し増やしてほしかったところですが,まあ慣れれば問題はないかと思います.

また,左右イヤホン表面タップでもいくつかの機能が使えます.例えば,右イヤホン表面を2秒タップするとGoogleアシスタント機能が使えるようです.しかし,イヤホンをタップすると耳が多少痛いので,私はタップ操作はなるべくしないようにしてます.


「操作モード切替機能」で,ボタン操作を両耳どちらでも同じにもできるようですが,音量操作がタップ操作になるのでこれも使ってません.

(2)装着検出機能
本機は内蔵センサで着脱を検知でき,外すと停止,再度装着すると再生再開する機能があります.
しかし,センサが左右ともに付いているらしく,片耳外すだけで反応してしまいます.わたしは片耳だけ利用したい場合もあり勝手に停止されると困るので,この機能はOFFとしておきました.

OFFの方法はaudio-technicaのHPのマニュアルに記載されています.
音楽一時停止中にイヤホン(L(左)側)のマルチファンクションボタンを長押し(約6秒)します。
長押し(約6秒)するたびに音声ガイダンス「Ear detection on」/「Ear detection off」が流れ、装着検出機能のON/OFFが切り替わります。

(3)ヒアスルー機能
左のイヤホン表面を2秒押すと,内蔵マイクで外の音を拾ってくれる機能があります.
機能としては悪くはなく,確かに外の音が聞こえるのですが,そもそも音楽を聞いていると外の音がわかったところであまりその音に意識を向けられないので,個人的には音楽停止も併用が必要でした.でも,それをするくらいならイヤホン外すかな,というのが正直なところです.

公式のマニュアルでも,割とそういうことが書いてあります.
  • 再生している音楽などの音量によっては、周囲の音が聞こえづらい場合があります。その場合は、音楽などの音量を小さくしてください。
  • 本製品のヒアスルー機能を使用しても、周囲の状況などによって、周囲の音が聞き取りにくい場合があります。交通量の多い場所など、周囲の音が聞こえないと危険な場所では、本製品を使用しないでください。

通話している場合には良い機能だと思います.

(4)イコライザ機能
左イヤホンを2回タッチするとイコライザが切り替わります.イコライザ種類としては以下3つです.
  • Original sound:工場出荷時設定
  • Bass boost:重低音
  • Clear voice:音声の明瞭化
ATH-SPORT5TWはそもそもの音質がよいので,私は工場出荷時設定で使っています.ここはさすがaudio-technicaだなと言う感じです.外でランニングする場合など,外の騒音がある場合にはBass boostにすると良いかもしれません.Clear voiceで音声も聞いてみましたが,こちらはあまり変化がわかりませんでした.音声の周波数帯域だけ残すようなイコライザなんでしょうかね.
(5)防水
本機はIPX5/7相当の防水機能が付いています.このJIS規格は噴流に対しての保護/水に浸した場合の保護を示しており,風呂などの高温多湿の場所では使用できないようです.
本製品の防水仕様は、運動時の汗や簡単な水洗いによる内部への液体の侵入を防止する目的で設計されています(IPX5/7相当)。JIS保護等級IPX5とは、噴流に対して保護されていることを意味します。JIS保護等級IPX7とは、水に浸しても影響がないように保護されていることを意味します。お風呂などの高温多湿の場所では使用できません。

噴流も水に浸しても大丈夫なのに風呂ではだめという理由がちょっとよくわかりません.
IPX5/7相当がどういう意味なのか調べると,以下のような記述がありました.
一般的なシャワーの噴流というのは、個人差はあるものの10L/min前後となるため、IPX5であれば、シャワーの水流に対しての保護は見込める、という内容です。ただし水流の試験は最低3分間であるため、それ以上継続的な噴流を当て続ける場合は、厳密に言えば規格の範囲外となってしまいます。
もう一点留意が必要なのは、すべての防水規格は「真水」に対しての保護、製品と水の温度差が5℃以内と規定されていることです。海水であったり、温水であったりした場合、水に何らかの薬液や石鹸水、入浴剤入りの水等は、クリアしている試験とは厳密には別環境ということになります。温度差がある場合、製品内で結露するようなものもあります。また海水の多くは、塩化物によりゴム・金属部が劣化することや劣化進行が早まることがあります。

試験規格は「真水」「製品と水の温度差が5℃以内」というのがネックで,風呂は「水道水」で「40℃程度の温水=常温(25℃程度)とは温度差が5℃超」なので,規格とは違うからOKとは言えない,というわけですね.

この辺はメーカーや製品でも言い方が違うようで,TDKの場合は風呂は使えるけども推奨しない,という記述になってます.


まあメーカーとしてはそうとしか言えないでしょうから,自己責任で,風呂で利用することにします.音が出る部分はそもそも防水の対象外なので,そこに水が入らないようには気をつけて,使用後はちゃんと乾かしてから充電するようにしようかと思います.
レビューを見ると,風呂で使ってる人もいるみたいですね.


そもそも,風呂でも使えることを保証する,みたいな規格を出してもらえないんでしょうかね.JISももともとは国際規格から引っ張ってきてるみたいなんですが,これ定めた国が長風呂する文化が無いのかな.

【2021/07/30追記】
風呂で何度か使ってみました.イヤホンを耳に装着した状態で風呂に入って出る分には,普通に使えます.風呂から上がったあとしっかりふいて少しおいてから充電ケースに戻すようにしていますが,故障しそうな雰囲気は今のところありません.
一つ問題があって,まれにシャワーを浴びている時に,タッチセンサが反応しヒアスルー機能やGoogleアシスタントが起動してしまいます.風呂で一人で音楽を楽しんでいるのに,いきなり停止したりシャワー音が聞こえるのは興をそがれます.これは推測ですが,シャワーの水分というよりは水分を含んだ髪の毛がタッチセンサ表面に付着したときに,指でタッチしたものとみなされて,センサが反応しているようです.髪の毛が耳にかからないくらい短髪,あるいはもっと流せる長髪の方なら気にならないかもしれません.
タッチセンサを使わない操作モードや,ボタン操作を無効とするスイッチなどがあると良いなと感じましたが,推奨されてない使い方をしているのでまあ文句は言えませんね.

まとめ

トータルで見て,音質もよく防水の左右独立ワイヤレスイヤホンを,13,000円という比較的手頃な価格で購入することができた,という感想です.
機能は今のところいらないものが多かったのですが,今後通話にも使う場面があれば役立ちそうです.