Juliaを触ってみる(その1)

以前から興味があったもののあまり触れていなかったJuliaを,正月休みに少し触ってみました.

今回はこちらの本を参考にしています.


JuliaはMITで開発されたプログラミング言語で,実行速度の早いコードが簡潔に記述できることが特徴です.参考図書でも記載されていますが,Juliaのコンセプト解説として,以下の文書が有名ですね.

MATLABPython,Cを触ったことがある人なら,同意しかないでしょう.いずれの言語もあちらを立てればこちらが立たず.さらに,なぜこうできないんだ,という仕様が残っています.これを解消する言語がJuliaだそうです.


さっそくインストールしてみます.

1. インストール

https://julialang.org/downloads/よりバイナリをダウンロードします.現時点(2021/1/5)でVer. 1.5.3が最新でした.デフォルトでは"C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Programs\Julia 1.5.3"にインストールされます.インストール後,Pathに上述のbinフォルダを追加します.

julia.exeを実行すると,対話型環境REPLでプロンプトが表示されます.ここで,Juliaを使う際のライブラリ(パッケージ)をインストールできます."]"キーでパッケージモードに移行し,"add"コマンドを使います.例えば以下のような形です.
pkg> add PyCall

さらに,BackSpaceでJuliaプロンプトに戻り,"using"とパッケージ名を入れることで,Pythonでいうimportをします.このときパッケージをaddした後の初回だけプリコンパイルをします.
julia> using PyCall

※ PyCallはJuliaからPythonのモジュールを呼び出すためのパッケージですが,インストールに難儀しました.詳しくは別記事をご覧ください.



2. Jupyter notebookの利用

Pythonでおなじみですが,Jupyter notebookという,コードとその出力結果・グラフなどとMarkdown形式のメモを記載できる環境を,Juliaでも利用できます.

パッケージモードで以下のコマンドでインストールできます.
pkg> add IJulia
IJuliaはinstallとbuildもするため時間がかかります.

もし既にAnacondaなどの他のPython環境でJupyter notebookをインストール済みであれば,この時点でPython環境からJupyter notebookを起動すると,新規にJuliaのノートが作成できるようになっています.もちろんJupyter notebookの後継であるJupyter Labでも同様です.

Pythonをインストールしていない場合は,Juliaプロンプトから以下のコマンドでJupyter notebookを起動します.初回利用時には,Jupyter notebookがconda経由でインストールされます.
julia> notebook()

3. Juliaの基本的な操作

Juliaの基本操作を参考書をなぞってやっていきます.Jupyter notebook形式で作成しています.


とりあえず基本的な演算と配列を触ってみました.ちょっと触っただけでもだいぶ書きやすい印象です.今後は制御構文と関数・モジュール,ファイル入出力,可視化あたりをやっていきたいです.

次回次々回に続きます.)