食洗器の利用時間帯によるランニングコストの差

我が家ではパナソニックの深型食洗器(NP-45RD9)を採用しています。 この食洗器には予約モードといって4時間後に洗いを開始するモードがあります。 要は夜間の電気料金が安価な時間帯にあえて回すのをサポートするモードです。

引っ越してからこれまで、食洗器は特に利用頻度や時間帯は気にせずに使用していましたが、予約モードでどれだけ差が出るのかな、と気になり、電気料金差を計算してみることにしました。

また、我が家は太陽光発電を採用しており昼間自家消費すると電気料金がより安価になるのですが、その場合にはどれだけ料金に差が出るのかも、合わせて計算してみました。

食洗器の光熱費

まずは食洗器を1回回すのにどれだけ電力・水を使用しているか調べます。

分電盤に設置した食洗器の電力量計のログを見ると、1回におおよそ0.45~0.55[kWh]の電力を消費していることがわかりました。ここでは毎回多めに0.55[kWh]消費するものとします。

また、電気料金単価として、太陽光売電単価17[円/kWh]、買電単価はLooopでんきなので変動してますが、ここ最近の夕方ピーク40円と、平常時32円の数字を使ってみます。

この差は、東京電力の電力量単価の昼夜の差7.9円*1とほぼ同じなので、東京電力で昼間→深夜に利用時間帯を変えた場合でも同様の結果になると思います。

さらに、食洗器では給湯器で沸かしたお湯を使います。我が家はエコキュートを使い、出口温度を42℃に設定しているので、そのお湯が使われているはずです。パナソニックのHPにある取扱説明書を見ると、1回の水(湯)使用量は11[L]ということでした。

sumai.panasonic.jp

エコキュートの電力量は季節変動が激しいのですが、ここでは中間期(春秋)の条件で計算してみます。 給水温度17℃、湯利用時のタンク温度が60℃としたとき、必要タンク湯量は6.4L、このお湯を65℃まで沸かすときの電力量はCOP4.3として0.083[kWh]です。この電力量も毎回かかるものとします。

食洗器の利用頻度

食洗器をどの程度使うかは家庭によってさまざまでしょう。 電力量計のログを調べたところ、我が家は現状親2人+幼児1人分で一か月に40回、1日に1.3回ほど使用していました。 そのうち昼間に使用しているのが23回、夕方は17回でした。

夕方→深夜に利用時間帯をずらした場合のランニングコスト

夕方は電力量単価のピークになることが多いので、単純に夕方に動かしていた食洗器を予約モードで深夜利用にすれば安価にできそうです。

この場合、1回の使用電力量0.55+0.083[kWh]×電力量単価の差(8円/kWh)×17回=86.5円が、1か月あたりに浮く金額になります。

1年だと1,038円、寿命までの10年で1万円と思えばそこそこ大きな差に見えます。予約ボタン押すだけなので、これくらいならやってもいいかなと思えます。

一方、食器の状況によっては、洗い始めまで時間が空いてしまった場合に汚れが落ちず後で手洗いが必要になることもあるので、予約ではないほうがいい場合もありそうです。

また、我が家は蓄電池を採用しており、夕方~夜間は蓄電池からの放電になります。蓄電池が放電しきってからは買電になり電気利用時間帯が遅いほうが安価なので予約にする意義はあるにはあるのですが、正直そこまでの差にはならなさそうです。

夕方→昼間に利用時間帯をずらした場合のランニングコスト

次に、より電気料金が安価な昼間に利用時間帯をずらすことを考えます。

この場合、夕方に洗わず翌朝まで持ち越して朝食の食器が不足すると困るので、あらかじめ昼間に少な目の食器で食洗器を回しておかざるを得ず、食洗器を回す回数が増えることが想定されます。

今回は、夕方17回のうち半数(8回)は2回に分けて昼間に回すこととし、1か月あたり40回→48回に食洗器を回す回数が増えるものとします。

電気料金は、40円→17円と単価がかなり下がるので、回数が増えても1か月あたり-162.1円と安価になります。

しかし、回数が増えると追加で考えなければならないのが、水道代、洗剤、機器寿命です。

まず、11Lの水に対する水道料金が追加でかかってきます。直近の横浜市の水道料金*2を見ると、上下水で209.48[円/m3]ほどの単価だったので、水道料金としては1回に約2.3円ほどかかることになります。

次に、洗剤も1個大目に使うことになります。私はフィニッシュという洗剤を使っていますが、これが1個あたり約10円かかります。

それから機器寿命です。食洗器は大体1日2回利用で10年間の寿命が想定されています。ここでは寿命が回数で決まるものとして*3、1回利用が増えると食洗器の更新工事が早くなりその分のコストがかかると考えます。365×2×10=7300回分の利用に対して、食洗器の更新費用は大体15万円ほどらしいので、1回あたり20.5円コストが多めにかかるとします。

curama.jp

これらを考慮すると、8回×(2.3円+10円+20.5円)=262.4円が毎月のコストとして増えるので、結果的に毎月262.4-162.1=約100円増額となり、ランニングコストが増えることがわかります。

つまり、たとえ電気料金が安価な時間帯だろうと、利用回数を増やすような使い方はしないほうがいい、といえます。

まとめ

食洗器の利用頻度・利用時間帯を調査し、食洗器にかかるランニングコストが利用時間帯の変更によってどれだけ変わるか計算しました。

結果として、夕方→夜間の電気料金が安い時間に変更するのはある程度有効ですが、一方で昼間に無理に回そうとして利用回数を増やすのは逆効果だということがわかりました。

我が家では蓄電池採用+市場連動型電気料金のため、時間変更でも大きな効果が見込めないことから、気にせずこれまで通り使うようにしようかと思います。

*1:昼間35.76[円/kWh]、深夜27.86[円/kWh] スマートライフ(オール電化)|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社

*2:水道料金・下水道使用料の早見表 横浜市

*3:使わなければ単純にその分寿命が延びるわけではないと思いますが